The Baader Meinhof Complex

渋谷CINEMA RISE で The Baader Meinhof Complex を見てきました。
邦題は「バーダー・マインホフ 理想の果てに」です。
ドイツでは記録的大ヒットと言うことですが、CINEMA RISE では席の四分の一も埋まっていない感じでした。


高揚感のない映画だった。
これはむしろ誉め言葉として言っている。
テロ行為もそのままに描いているので、それを見る限りテロリストに共感することは出来ず、残虐さに胸つぶれる思いをするばかりだ。一方被害者についてもそれほど強く感情移入ができるようには作っていない(適切な配慮はしていると思うが。)。また、テロリストに対抗する警察側についても、感情移入できるようにも作っていないし、逆に反感を持つようにも作っていない。警察の大きな失策であるミュンヘンオリンピックの黒い五月事件、或いは大きな成果であるモガジシオ空港での救出作戦、いずれも淡々と描かれる。警察のドイツ赤軍追及の責任者がいつも安定しているところにやや同化できるような要素もあるが、それも極めて押さえたもので、むしろ観客を警察サイドに立たせると言うよりは映画全体の中庸さを保つのに役立っている。
このように押さえたものであるにも拘わらず、2時間半を全く飽きずに見通すことが出来る。
制作者のコメントを読んでみたところ、こんなことが書いてあった。
「この作品が、映画の最も基本的な物語構造や劇作法を覆すような作品になることは最初から分かっていた。この映画には、観客が共感できるヒーローは一人もいない。しかも、最も厳密な意味でのプロットもなく、伏線もない。ただ相次いで起る恐ろしい事件があるだけだ。だが、それが観客を引き付け、この物語を引っ張っていく。私は、この映画は観客を飲み込み圧倒する激流のようでなくてはならいと思っていた。」
同じ時代を生きた、と言うことだろうか。
私が大学生の頃は、私たちが少林寺拳法の練習をしていた体育館の入り口で内ゲバ殺人が行われたりしていた。
この映画を見て、現在の私の地位となすべきことについて改めて認識させられた。