最果てのイマ

これもとても好きなゲーム。
田中ロミオさんという人は、ちょっと文章に気になるというか不自然なところがありますが、それを超える思いのようなものがあるように感じます。
若い時にはとても良いのではないでしょうか。
これも、貴宮忍君に感情移入して一体化できます。
私も乗りやすいのかな、と思います。


アマゾンでかなり高い値段がついていますが、ダウンロード版をいろいろなところで購入できます。
ただ、ダウンロードサイトで紹介されている絵の性的表現が気になります。
このゲームも、正直、性的表現なしでOK、というか、ある意味、ない方がいい。
「家族計画」などだと意味があるのですが、このゲームとかCCとかは不要な感じがする。
仄めかす程度で十分ではなかったと思います。
表現に自ら制約を設けない、という意味で18禁でいいと思いますが、何となくこの作品についていうと、無理にそうしたシーンを入れた感があります。
絵にめげず、該当シーンはスキップする精神で、ぜひやってもらいたいと思います。
ものすごく時間がかかりますが、一気にやらず、少しずつ楽しんでいけばいい作品と思います。

最果てのイマ フルボイス版

最果てのイマ フルボイス版

  • 発売日: 2007/11/30
  • メディア: DVD-ROM


p.s. 敢えて批判をすると、犠牲になったのが章二だけというのは不自然な気がします。
フランシスは傷ましい。
しかし、最深部まで行って戻ってきた貴宮忍君は、本来は聖域の構成メンバーの、少なくとも誰かは犠牲にするような場面に直面するべきであったと思う(というか、本来はそうなったのではないか。そのようなシナリオも考えていたのではないか。)。失礼な言い方になるかも知れないが、田中ロミオさんのこのときの能力ではそこまではできなかったのだと思う。いや、今の日本の一般の作家も含めてそのようなことを書き切れる人がいるだろうか。
むしろ、聖域メンバーをそのような高みに引き上げたことこそを評価すべきと思う。
グレアム・グリーンの小説の凄さを改めて思ったことだった。


それと、やはりハーレムエンドは良くない。
少なくとも、それが一時的なものであることの暗示は欲しいところ(そんなことは言わなくても分かるだろう、と言われそうだが。)。
つまり、本当は、ここからもう一幕が開く、ということなのだ。
それぞれの人生が始まる。
その暗示だけでもよかったかもしれない。


家族計画やCCと比べると、イマはやはり未完成感があるが、でもやはりとても好きだ。
一番好き、と言ってもいい。