朝、こうして書き物をしていると、山の香りと近くのパン屋さん*1かららしい、香ばしいパンの香りが開けた窓から入ってきます。
モームの「お菓子と麦酒」を昨晩就寝前に、楽しく、また、ほろ苦く読み終えました。
私から見ると、イギリス風な言い回しがかなり盛り込まれていて、何度も笑ってしまいました。
しかし、今、改めて考えてみると、身につまされてしまうお話でした。
オルロイ・キアについて見れば、本当にいがちな、よい人であり、私は彼ほど成功していないにしても、似たようなことをやっていることが多いのではないかと思います。
また、ドリッツフィールドについても、その気持ちが痛いほどわかる。
そもそも「私」からして、その行動を見ていると本当にしみじみする。
いろいろ評論はあるのでしょうが、私としては、正に自分を見るようです。
しかも、読んでいる最中ではなく、読み終えて書物を置き、しばらくしてからそんな風に思えてくるのが不思議でした。
おもしろうて、やがて悲しき、という感じでしょうか。
ロウジーについては、言うことはありません、というか、ありすぎて言えない、という感じでしょうか。
- 作者: ウィリアム・サマセット・モーム,William Somerset Maugham,上田勤
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1959/11
- メディア: 文庫
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写真は、近くのパン屋さんの看板です。
よくわかりませんが、この本を読むと、オルロイ・キアについて否定的な見方をしているような雰囲気を感じる人がいるのかもしれませんが、私はそうは思いませんし、モームも否定的な人物を書いているつもりではないように思います。
こういう真っ当な人々が世の中を動かしている。
また、そうあるべきだと私も思います。
ただ、私はそうありたいと思いながらも、全然できていません。