買い物

土曜日は、買い物の日。
まず、お肉屋さんへ。
お爺さんの耳が少しずつ遠くなっているようで淋しい。
また、計算を間違えることはないのだけれど、ご自分で間違えるのではないかと心配されている様子があり、何だか切ない。
こちらのお肉は本当に美味しいので、他に仕様のないとき以外はこのお店で買っています。
今日は、新年のセールということでしたが、ロースハムとかを買いました。


次は、八百屋さん。
こちらも、お爺さんがお店に出てくれているときとそうでないときがある。
お爺さんがお店に出てくれているときには、私もうれしいので、買い物をする。
今日は、トマトとか玉葱とか買うつもりだったけれど、見たら、本当に立派な大根があったので、それを手に取って見ていた。
すると、その隣にある白菜を薦めてくれる。確かに、立派だなと思った。
腰が悪そうで、ゆっくりと前に出てきてくれたお爺さんに、白菜を渡す。
上手に白い袋に入れてくれる。
キュウリの糠漬けは、透明な袋に入れた後、新聞紙で包んで渡してくれる。
結局、トマトと玉葱と白菜と大根、それにキュウリの糠漬けを買って帰りました。
十円の端数をおまけしてくれるという大盤振る舞いでした。


さて、帰宅後、料理をしようと思ったわけですが、気付くとビールがない。
やはり休日は、ビールを飲みながら料理をするというのが楽しみ(ワインを飲みながらという人もいるかもしれませんが)。
そこで、近くの酒屋さんにビールを買いに行くことにしました。
一番近くの酒屋さんは20メートルほどの所にあるのですが、実は自販機で買ったことはあるものの、お店に入るのは初めて。
ガラスの引き戸を開けて入ると、大きなぬいぐるみが。
何故かは敢えて問わず、ビールを探しました。
すると、入り口のすぐそばにガラス扉の冷蔵庫があります。
お婆さんが出てきてくれたので、
「キリンラガーとアサヒのスーパードライだけですか」
と聞きながら、身を屈めて中を見ました。
お婆さんの、そうだ、との声を聞きながら、中を見ていると、1.5リットルくらい入るような瓶に入った牛乳があった。
瓶は「白バラ牛乳」とだけ書かれたシンプルな、昔風の牛乳瓶。


「牛乳も売っているんですか」と聞くと、お婆さんは少し照れくさそうに笑いながら、
「それはうちで飲むのを入れてある」
と言ってくれる。それから、二人で大笑いしてしまった。
500ccのキリンラガーを2本買い、お金を渡す。
お婆さんは、ビールを袋に入れてくれている。


その間に棚を見る。
ワイン、ウイスキー、ブランデー、焼酎、日本酒。
それぞれ、一銘柄ずつ置いてある。


「耳が遠くなってきて。。」
と既に70歳もかなり超えたのではないかと思えるお婆さんが品物とお釣りを渡しながら言う。
私は、お婆さんがくれたお釣りをお財布にしまいながら、大きなぬいぐるみを指さし、
「これも売り物ですか」
と聞く。
その時、お店の奥の階段を17,8歳くらいの美しい少女が降りてくる。
私から見ると、少し派手めな感じだけれど。
すぐにその少女の姿は見えなくなってしまったけれど、このたくさんのぬいぐるみたちは、かつてはあの少女のものだったのだろうか。
「もう置いておいても仕方がないのだけれど、いったいいくらに値段をつけていいかも分からないし」
お婆さんは少し淋しそうに笑う。
私も微笑みを返して、店を出る。


いずれのお店も、息子さんや娘さんが、暖かくサポートをしてくれているのだが、おそらく、それぞれのお爺さんやお婆さんが亡くなれば、それで終わってしまうのだろう。
大型店舗もいいけれど、少しずついるだけお肉を切ってもらうとか、とてもよい野菜が入って、それを少しだけおまけして買うとか、何よりお店の人と話しながら買い物をするとか、そうしたことがなくなってしまうのは淋しいことではある。
しかし、それが時代というものだろう。
私が住んでいるこの地区は、まだこんなお店が残っており、地区の方々やご家族が支えておられることが本当に有り難い。


写真は、家の近くにある、中華同文学校です。