今日の新聞記事より

小学校の先生として、教員免許のない人を雇っていた、とのニュースがあった。
なんだかしみじみしてしまった。
免許のいらない非常勤講師として実績を挙げ、今度は免許の必要な臨時講師として1年。
辞めようと思ったが、学校からも頼まれ、子どもからも慕われて更に新年度も続けてしまった。
そして、今回こうしたことが発覚する。
勿論、嘘はいけないことだと思うが、学校の授業は大変だ。
増して、きちんと学んだことがなければある意味で実際の授業のためには人一倍勉強をしたということかもしれない。
非常勤講師のまま通信教育を受けるとか大学に入り直すといった方法もあったろうし、自らも考えていただろう。
しかし、強く言うことができず願いに応えようとするとこういうことになりかねないのだ。


そもそも教員免許というのは、免許に価値があるのではなく、それが保証する能力に価値があると言うことだろう。そのような観点からは、教員免許に限らないが、能力があることの証明としての免許を付与する方法というのは、さまざまでよいのかもしれない。多様な人々がいると、その間の公平性を保つ為に画一的な制度を導入し、その制度自体に価値があるように人々が思うようになるかも知れない。
しかし、「新しい公共」などと言われ、一人一人が自立しながら協力して共に歩んでいく社会としていくということであれば、どのような人を小学校の先生として採用するかというようなことも含めて、学校や地域の自主性に任せるということもよいのではないか。国や地方公共団体は、教育機関や知見を有する人々と共にサポートする情報の提供や制度を整備することになるかも知れない。

員免許持たず小学校で授業 尼崎市教委気付かず 

 尼崎市立小学校に勤務していた20代後半の教諭が、教員免許がないにもかかわらず、児童に指導していたことが13日、関係者への取材で分かった。大学時代に必要な教職課程が未履修だったといい、教員免許発行のために必要な書類も提出しないまま採用されていた。市教委は無免許に気付かないまま、勤務させていたという。

 関係者によると、教諭は、まず理科の補助教員として小学校に勤務した。本人の要望を受け、市教委は非常勤職員として採用を決定。教諭は昨年4月、小学校に正式に赴任し、クラス担任もしたという。

 しかし、教員免許の発行に必要な書類を提出しないまま、勤務していたため、学校などが指摘すると「もう少し待ってください」などと繰り返し、勤務を続けていた。

 市教委が問い詰めたところ、大学時代に教職課程を未履修だったことが発覚したという。

 学校側は13日夕、保護者会を開き、経緯を説明する。

(2011/05/13 15:34)

神戸新聞5月14日
http://www.kobe-np.co.jp/news/kyouiku/0004060730.shtml