訃報

私は歌には見識がなく、河野裕子さんという歌人を知らないのですが、元日に届いた年賀状に次の句を書いてきてくれた方がおられました。

手をのべてあなたとあなたに触れたきに 息が足りない この世の息が

私にはこの句の意味が年賀状を見たときよく分からなかった。
奥様を比較的近くに看取った方であったし、また周囲の方が亡くなったことがあったのだろうか、とも思ったが、視点がどこにあるのか不思議な感じがしたのだ。

その方が1月4日に亡くなったとの知らせが届く。
改めて年賀状を見返してみると、今は別れの言葉であると思える。

私も世を去る前に、さりげない挨拶を人々にして出立することができるだろうか。