FenrirFS

fenrirFSというソフトウェアを利用するようになった。
もともと、scansnapでPDF化した資料が大量になり、scansnap organizerでは管理しにくくなったため、よりよいPDF管理ソフトを探していた。
しかし、どうもよいものがなく、それであれば、別途タグ付けソフトを使おうと思い、探してみて、このfenrirFSに落ち着いた。
そして、気がついてみれば、実はfenrirFSはファイル全般の管理ソフトなので、当然ながらPDF管理ソフトにも使える、という訳で、快適にPDFファイルの管理ができるようになった。
また、本当に便利なので、他の資料の管理にも使うことにした。
http://www.fenrir-inc.com/jp/fenrirfs/

タグ付けソフトとしては、本来は、tag2findを使いたかったのだが、64bitでは動かないため、代替のソフトを探していた。
当初、tabblesというソフトを使おうと思ったのだが、ファイルのプレビュー機能がないためどうしても使いにくく、利用はやめることにした。
その代わりにfenrirFSを使うことにした。
tabblesやtag2findで「タグ」と言われるものをfenrirFSでは「ラベル」と呼んでいる。

利点としては、ファイルのプレビュー機能があることが大きい。
後の機能は、他のソフトでもあると思うし、特にタグクラウドの機能もあるtag2findはとてもよいと思った。
しかし、このプレビュー機能は他にはない優れた点であると思う。
そもそもtabblesにはプレビュー機能がないし、tag2findはなかり小さなサムネイルに固定になっているように思う。
また、scansnapでは、プレビューについて、起動する度に作り直しているので表示に非常に時間がかかる。
しかもプレビューのサイズが小さく、内容を見るのに不自由がある。
大きなウィンドも出るが、文書の冒頭だけしか見ることはできないし、また、簡単に表示の有無の切り替えをすることもできない。
fenrirFSでは、まずサムネイルの大きさをある程度調節できることに加え、大きなウィンドウでの表示もスペースキーでトグル表示ができる。
しかも、これが非常に高速。更に、この大きなウィンドウ内に入れば、ページめくりで内容を確認することができる。
サムネイルも、キャッシュを利用しており、一度作成してしまえば、次回からの表示は高速でストレスを感じない。
webでの紹介では、fenrirFSを画像管理ソフトと位置付けているものもあるくらいだ。

また、検索機能も優れている。
ラベル(タグ)とファイル名を検索して表示してくれるが、これも高速。
私はおそらく10000弱のファイルをfenrirFSで管理しているが、ストレスは全く感じない。
migemoにも対応している。

ラベル(タグ)付けの操作性もなかなか良い。
ウインドウペインの移動もキーボード操作でできるし、タグ付け、スター付け、ファイル名の変更(これは更にnodokaを使って一連のキーボード操作を一度に済むようにしている。)もキーボード操作だけでできる。

また、私は使わないが、evernoteへのアップロードも簡単にできるようになっている。
更に、フォルダ指定でDropboxも指定できるので、クラウド的な運用ができる。
加えて、レジストリとかを使わずに利用するポータブルモードもあるので、ハードディスクにデータと共に入れて持ち歩き、どのPCででも利用する、ということが可能だ。

自動登録ないし同期機能もあるため、特定のフォルダにファイルが登録された場合(拡張子で限定することも可能)、自動的にfenrirFSにも登録される。
登録されるタイミングについても、configで設定できる。
自動登録のルールを決めておけば、その際にタグも付けてくれる。
フォルダ階層の深いところにあるファイルについては、直近のフォルダ名のみをラベルとするオプションもある。
また、サブフォルダ内のファイルは監視しない、というオプションもあり、
なお、挙動で面白いのは、ファイルを同期対象フォルダ内で或るサブフォルダから別のサブフォルダに移動させた場合、自動登録で当該フォルダのラベルが付いたり、元のフォルダに基づいて付与されたラベルとかが除去されることはないが、エイリアスのリンク先は更新されており、ファイルが行方不明になることはない。
フォルダに従ってラベルが付くのはプロファイルの登録の時だけで、その他の場合にはフォルダによって自動的にラベルが付与されるということはないようだ。
同期対象フォルダから外に出すと、当該ファイルはリストから消えてしまう。再び同期対象フォルダに入れた場合には、ファイルは登録されるが以前付与していたラベルは失われている。これはこれですっきりした仕様であると思う。

このソフトの方がscansnap organizer より使い勝手が良いので、scansnapでスキャンしたデータは、検索可能なPDFに変換後scansnap organizerは起動せず名前を適当に付けてscansnapフォルダに直ちに保存するだけとし、後はfenrirFSで内容を確認しながら必要なタグを足したり、閲覧しながら作業したりしている。
scansnapでの名刺の登録は、名刺管理のソフトを立ち上げ、そちらの方からscansnapを立ち上げることにした。それで不自由とか手間が増えるといった感じはない。)

fenrirのソフトウェアは、一時期Sleipnirを使っていて、大変お世話になった。


fenrirFSを使っていて思うのは、これは、tagglesやtag2findとはやや異なるコンセプトのものである、ということだ。
現在ではfenrirFSは、tag2findの有するタグクラウドの表示機能を除けばいずれのソフトも凌ぐ機能を持つものとはなっている。
しかし、「ラベル」と「タグ」という表現の違いから、やや異なるところから(とりあえずは?)出発している(することにした?)という感じがする。
tagglesやtag2findは、基本的に全てのファイルを常に相手にしている、という感じだ。
勿論、fenrirFSも、FSという名称を付けていることからも、file system的なものを念頭には置いているのだろうが、実際には、作業をするための段取り付けのためのもの、との感じがする。開発者の方のブログを読んでいると、自身もそんな使い方をしているように思われる。
ネットでの言及を見ると、fenrirFSについて「Gmail風」と表現しているものもあったが、ラベル、という語や一見してメーラ風にも見える画面がそのような印象を与えるのだろう。
アーカイブという機能も、作業用ウィンドウに表示させないようにするものだが、このような概念は、tagglesやtag2findにはないように思う。
この機能は、充実したプレビュー機能を効果的に利用するためにも有効と思う。

fenrirFSはまだ新しいソフトなので、少し不安定な所があるようにも思う。
プロファイルの登録の際、指定したフォルダにあるファイルはサブフォルダーに入っているものも含めて登録されるはずなのだが、なぜか登録されないフォルダがある。
規則性は分からないのだが、階層が深いフォルダや内に含むファイル数が非常に多いフォルダはスキップしてしまうことがあるようにも思う。
ただ、これも、他の親フォルダの下に置くと認識されるようになったりする。

キーボードでの操作にも対応しているのが私のようなキーボード派には嬉しいところ。

キーアサインメモ
C-L ラベルのインプレース編集
A-L ラベルの選択追加
C-S-L ラベルの新設
C-2 ファイル名の変更
C-P ファイルリストへのフォーカス移動

(追記)
ある時からscanしたデータが、設定したフォルダに保存されなくなってしまった。
不思議に思っていたのだが、実は、scansnapで「scan後何もアプリケーションを起動しない」という設定にすると、scan後通常の保存と同様のプロセスが優先される。即ち、通所のデータ保存プロセスで処理される。従って、保存先が表示され、その際、前回保存したフォルダがデフォルトの保存先として表示される。そのままOKを押せば、前回と同じフォルダに保存される。それが指定したフォルダと違っていた、ということであった。メッセージはよく確認しよう、と改めて思った。