トラベルウォッチ


今日は、私が子どもの頃からある時計屋さんでトラベルウォッチを購入。
私が物心ついたころには、既に存在していた時計屋さん。
もちろん、代替わりしており、今のご主人も70歳近い。

少し前に購入した目覚まし時計が壊れてしまった。
私は、電子音では目覚めることに自信が持てないので、ベルの音が出る目覚まし時計が欲しかった。
私が購入した目覚まし時計は、電池式で電波を受信して正確な時刻に補正する機能もある。
ところが、肝心のベルが鳴らなくなってしまった。
最近のこの手の時計は直すことはできず、壊れたら捨てるしかないとのこと。

そこで、ベルが鳴る機能がしっかりしていると思えるゼンマイ式の時計を購入したいと思った。
しかし、調べて見ると、ゼンマイ式の目覚まし時計を作っているところは日本には既に無い。
ネットで調べて見ても、動作については保証しないものばかり。
こんなことなら、フジヤ子鹿時計店(http://www.asahi.com/area/hokkaido/articles/MTW20170120011330001.html)で然るべきものを買っておけば良かった、今から札幌円山に行くか、と思ったりもした。

この頃は、母が入院しており、毎週のように見舞いに行く。
その関係で、私の生まれ育った江古田駅周辺にもよく行くようになった。
そして、ふと駅前の時計屋さんのショーウインドウを見ると、ゼンマイ式のトラベルウォッチが置いてある。
うれしくなり、お店に入って尋ねると、奥さんがおられ、今は夫がいないので、よく分からない、とのこと。

二週間ほどして再訪すると、今度は店主の方がおられた。
あの時計が欲しいのですが、というと、動作確認をするので暫く待って欲しい、というお話。
また二週間ほどして行く。
今度は出してくれ、時間も正確であり、ベルも鳴る、とのこと。
ただ、古いものなので、ゼンマイが切れたら代替品はないので、大切に扱って(ゼンマイを巻き過ぎて切ったりしないようにして)欲しい、と言われる。
歯車などはスチール製であり、壊れることはない(ただし、数年に一度、油やりなどオーバーホールが必要)がゼンマイについては特に気を付けて欲しい様子だった。

また、私が日常使いをしたいとの意向を話すと、
「この時代のもので、このようによい状態にメンテナンスされているものは貴重であり、アンティーク、骨董品として大切に扱って欲しい」
と言われ、なかなか売ってくれない。
大切にする、と約束をして購入してきた。
ただ、心配なので、つい、電池式のベル付目覚まし時計(単純な、それのみのもの。老人向きと言われる。)も一緒に購入した。

実際に家で動かしてみると、なるほどゼンマイ式の時計は、コチコチと懐かしい音がする。
起きている時はいいが、夜、枕元に置くと少し気になるかも知れない。
(尤も、既に私の寝ている部屋にはコチコチとなる掛け時計があるが。)

普段使いはしようと思うが、当面は卓上に置いて使うことにした。
枕元には、音のしない、老人用目覚まし時計を置くことにした。

私の机の上も、だんだん怪しくなってきた感じだ。