伯父の死

pakira_s2010-06-13

昨日の朝、妹から電話があり、伯父が亡くなったとのこと。


私が幼い頃、私の家族は貧しかった。
当時は貧しいことが普通だと思っていたから、つらくなどなかった。母も愛情を注いでくれたから、母が編んでくれたセーターや継ぎの当たった服で駆け回って遊んでいた。
本なども、学校の図書館の本は読んでしまって、文学全集の揃っている友達のところに行って借りては読ませてもらったりしていた。たまに父が古本屋さんから100円くらいで子ども用の本を買ってきてくれた。


そんな生活だったが、伯父の家は比較的豊かだった。遊びに行くと、いつも本やプラモデルなどを買ってくれた。いつも優しい笑顔で、静かな声で話しかけてくれた。私の父は勤め人だったが、伯父の家は商家だったから、時間も不規則でたまに伯父の家に泊まって従姉妹とかと遊んでいると、夜遅くになっても寝なくてよいので、子ども心にわくわくした。


私が今一角の人間であるとは自分でもとても思えないが、それでも一応世にあって生きていることができることのかなりの部分を伯父に負うている。
神戸に行く前にお見舞いに行かなかったことが悔やまれる。少し前から具合が悪く、青森からも一度急いで帰ってきたことがある。そのときはとても喜んでくれた。意外に元気そうに見えた。


昨日の夕方、神戸からお別れに来た。
仕事の都合でお通夜とお葬式には出ずに帰るけれど、納棺にも参加させてもらってお別れをしたいと思っている。
仕事を放り出してもきちんとお別れを言うという行き方もあるかもしれないけれど、そうでない行き方で今回はお別れをしたいと思う。