エックハルト説教集より
主が「友よ、もっと上に登り、もっと上に進みなさい」と言うとき、これは神と魂との間に交わされている対話である。このとき魂に答えて、次のようなことばが語られたのである。「神は一なる神にして、すべてのものの父」と。或る師は、友情とは意志の内にあると言う。しかし友情が意志の内にある限り、友情が合一をもたらすことはない。・・・愛は合一をもたらさない。愛はなるほど働きの内では合一をもたらすとしても、有の内では合一をもたらすことはない。それ故にただ「一なる神」と「もっと上に登り、もっと上に進みなさい」というだけなのである。
（「一なる神について（エフェソの信徒への手紙第四章第六節）[説教21]」）
