シュティフター「森の小道・二人の姉妹」岩波文庫

ヲタ小説。
「馬鹿」という言葉がよく出てくるところが面白い。
主要登場人物は、みな「馬鹿」(どころか大馬鹿者)ということになっているが、今の言葉で言えば「ヲタ」というべきかも知れない。
しかし、登場人物がヲタという以上に、筋自体が美少女ゲームというか萌ゲーのようで、これが私が「森の小道」を「ヲタ小説」と呼ぶ所以である。(勿論、18禁のような場面は、それを暗示するようなものも含めて皆無だが。)
随所に、漢(オタク)なら思わず膝を打つような描写がある。
従って、漢であれば是非読むべき小説であると思う。
併載の「二人の姉妹」も「あとがき」の直前の部分がよい感じである。

森の小道・二人の姉妹 (岩波文庫)

森の小道・二人の姉妹 (岩波文庫)