masahiro’s mechanical pencil


シャープペンシルについて、内野成広さんに相談しました。
何度かメールをやりとりしてお願いしました。

今日、出来上がったものが届いたのですが、本当に素晴らしいもので感激しました。
修理の元はMontblanc Pix #25ボルドー(0.92mm芯)。
このPixの機構を利用してボディをエボナイトで作ってもらいました。

エボナイトの無垢の軸に、転がり防止の為の突起を付けていただいたのですが、これが良いアクセントになっていて、もともと優しいフォルムをより親しみの湧くものにしてくれています。
また、軸の中央の上下のバレルの接合部は、例えばLamyのペンのように目立たないようにすることもできたのだと思いますが、敢えて柔らかく少しだけ細く線が見えるようにし、アクセントとしています。
太さは12mmでもとのPixより少々太いのですが、これが私にはとても書き易い。

ボタン部もエボナイトで新しく作っていただいたので、モンブランのスターがなくなり、私としてはとても気に入っています。あまり品物がブランドを主張しているのは好きではないのです。特に最近のモンブランはブランドとしての価値を強調しているように思えます。それも一つの方法で結構だとは思うのですが、私は自らは、物は、あまり目立つような形で自己主張せず、しかも機能面ではしっかりと寄り添って存在感を持って支えてくれる方が好きです。

そのような観点で、この全く飾りのない、しかしよく見ると実に美しい曲線で構成されているペンは誠に好ましい。しかも、その美しさは、機能を追求したところから生まれている。
写真ではよくわからないかと思うのですが、ノックボタンがボディに吸い込まれていく(と表現したくなるような見事なライン)部分がとても美しい。

タツキの除去についても、元々Pixが非常によくできており、ガタツキが少ない機構である上に、masahiroさんが新たに設計して作り込んでくれた軸と組み合わされているので、筆記していると自分と一体化してくれるような感じがする。

一緒に写っているのは、私の別に持っていたMontblanc Pix #86です。この内部機構は1.18mm芯用なので、先端部が0.92mm芯用のものよりも太く、masahiroさんの軸の中には入りません。
このPix #86も太さも持ち易く、書き易いペンなのですが、少々重いのが残念。
その点、今回作っていただいた物は軽く、扱い易い。

懐かしいニューマンの芯も嬉しい。
私にはとても気に入っていたニューマンの回転式のシャープペンシルがあったのですが、残念ながら壊れてしまい、修理をしてもらおうと思いました。今から20年ほども前になるでしょうか。電話を架けたのですがなかなか要領を得た対応をしてもらえなかったので、近くであったこともあり、会社まで出かけていきました。
しかし、既に筆記具メーカとしてのニューマンは存在していないことが分かったのでした。
今でもニューマンのシャープペンシルで現役のものも手元にあります。
今回送っていただいた芯には「舶来シャープ用替芯 0.92mm」とあります。
何となく使うのが勿体ないような気がするので、この替芯はこのまま取っておき、ユーロボックスで0.92mm芯を買って来ようかと思っています。