犬の顔

昨日は、傘を買いました。
神戸の記念にと思い、風月堂の前の傘やさんで買ってみました。
よい傘があったので、それを買おうと思ったのですが、お金を払うときに、ご主人が、
「今は傘の97%は中国製だけど、この傘は日本製だよ。このラベルに「東京製」と書いてある。」
東京製のものでは神戸の記念にならないので、その傘はやめにしました。
こちら製の傘はないですか、と聞くのも変なので、犬の頭の傘を指さして
「こちらの犬とか作っているのは地元の方ですか」
と聞いてみました。

すると、京都などのお寺の仏像の顔を彫っている人が、仕事が少ないので彫っているのだとか。
確かに千駄木の傘やさんで見た、うちにもあるような犬の顔よりずっとよくできている、とても優しい顔の犬です。
そこへ、もう一人お客さんが来たのですが、30歳くらいの感じの男の人でした。
その人は、お婆さんの遺品の傘の紐が傘を留めるのに短いので取り替えてくれるようにお願いしていたのでした。
私はその間、いろいろ傘を見ていたのですが、会話を聞くともなく聞いていると、
「これはお父さんの仕事やね。今の人はこんな怖い顔は彫れんわ。」
などと話している。
あとで聞いてみると、今、犬の顔を彫っている方のお父さんもやはり仏像の彫師で、しかも犬の顔も彫っていたとのこと。
こんな感じで、傘も大切に使われているのだな、と思いました。
この持ち手の犬や猫は、この傘やさんのオリジナルということで、いろいろな犬の顔を見て、気に入ったものを選びました。
一部のものを除いて、好きな傘に気に入った持ち手を付けてくれます。
選んだ傘自体も、私が今使っている携帯用のものと同じく、傘用の布で作られたものです。
初めに買おうとした「東京製」のものほど傘自体は立派ではないのですが、端の縫い取りのない素敵なものです。
山梨の方で織られた布で、静岡で作られたものを大阪の業者さんから仕入れているとか。
今まで知りませんでしたが、山梨は傘の布の産地なのですね。
ほぐし織り、という美しい傘布もあるようです。
http://www.kasaya.com/hogushi/story00.htm
オカダ洋傘店にもあります。
さりげなく、例えば模様の中の建物の表札にオカダの名前を入れて織られています、と向かいの神戸風月堂の下村様からお伺いしました。

神戸では、普通の女性は勿論、長めのスカートをはいた女学生が日傘を差しているなど、なかなか傘にとってもよい環境なのではないかと思います。東京より傘やさんが多いのではないかと思います。

ROCCAに行き、食事を済ませて歩いて帰る途中、つい、東通りの山手幹線の出口のところにあるカウンターだけの餃子屋さんに寄ってしまいました。
狭いし、何となく昔からありそうで、しかもお客さんがいなかったので入ってみようかと思ったのでした。
聞いてみると、昨年の9月からで、午前1時過ぎると混むとのこと。
カウンター内に若い女性。奥の方の厨房に白いシャツ姿のお爺さんがいて調理をしてくれている。
飲み水を汲みに来た老人に、以前は、どこかのお店におられたのですか、と聞くと、横から若い女性が
「シェフは9月まで中国にいました。」
と言ってくれる。
老人は、まだ日本語を十分に理解したり話したりはできないのかも知れない。女性の言葉にも中国の雰囲気がある。
私は二人の関係も分からないけれど、親子なのだろうか。
私は何となく傘の柄の犬の顔を見せたくなり(尤も六花でも思い切り自慢してしまい、カウンターに掛けてもらうまでしていたのですが)、その女性に傘の取手を見せながら「かわいい犬だと思います」と話してみました。
聞かれたので値段を言うと、女性は、その値段に消費税を足した金額を繰り返し、「100円の傘もあるけど。。。」と言う。

食べ終わって外に出ると、雨の降りも強くなってきました。
傘を差し、足下を見てから、また前を向いて歩き始めました。

オカダ洋傘店
兵庫県神戸市中央区元町通3丁目9−6
業種 洋傘・パラソル・スカーフなど
休業日 水曜日
TEL 078-331-0051
http://www.kobe-motomachi.or.jp/cont02/shop/3-n008.htm