逢坂越えぬ権中納言

堤中納言物語の一。
主人公の権中納言は、見た目もりりしく、仕事もでき、趣味の世界(和歌、管弦)でも優れ、気配りも忘れないという、昔の少女漫画の主人公のような人ですが、実はある姫君に片思いしている。
ある夜、とうとう姫の部屋に忍んでいくが、姫がいやというので、そのまま何もせず朝になったら帰っていく。
この本の編者の三角さんは、いささか無気力な、女性的な男性像になっているとのコメントを寄せているが、やはりこうなってしまう人が多いのではないか、と思います。それもよいか、というか、それこそ凛々しい、と思いますが、まあ、後で相手から「バカ」とか言われることもあるかもしれませんね。