Principle-Centered Leadership

前にもちょっと言いましたが、私は毎朝エアロバイクを漕ぎながら英語の本を音読したりしています。
今読んでいるのは「Principle-Centered Leadership」(原則中心リーダーシップ)という本です。
この本の中のエピソードで、面白いと思うのは、著者のお子さんの3歳の誕生日のこと。

彼女はもらったプレゼントのおもちゃを抱えて、他の子どもたちがそれを貸してくれと言っても頑なに拒否している。著者は大学の人間関係の教授であり、他のお子さんの親御さんたちが著者が何か言ってこの場をうまく解決してくれないかと見守っている。そこで、著者は、こどもに、まずやさしく「他の子どもたちに、もらったおもちゃを貸してあげて」と語りかける。しかし、勿論拒絶されてしまう。次に、理屈に訴えて、「今回貸してあげれば、次回は友達も貸してくれるよ」というが、やはり相手にしてもらえない。今度は、「貸してあげたらガムを上げるよ」と買収に出るが、やはり駄目。いよいよ「貸してあげないと大変なことになるよ」と脅してみる。やはり効果なし、ということで、遂に無理矢理取り上げて他の子に貸してあげることに。
著者は、このときのことを考えて、問題はいくつかあるというが、やはり根本的な問題は著者が周囲によい格好をしようとして、自分の娘の本当の気持ちを考えようとしなかったことにあるように思う。著者は「もっと自分が成熟していたら、『子どもはまず十分自分が所有する、という感覚を味わえば他の人に喜んで貸すのだ』ということを理解し、娘に時間を与え貸すかどうかの判断をさせ、他の子どもにはもっと面白いゲームを提案したりしただろう」と書いていたが、それは結局自分が飽きたおもちゃを他の子どもに与える、ということの他の表現なのかもしれない。私だったらどうするか、と思うが、開けたおもちゃで、娘と一緒に遊ぶ、そして可能なら他の子どもたちも一緒に、というところか。
それともう一つ、この著者の本を読んでいて思うのは、人間と他の動物とを区別しすぎていることだ。これはキリスト教の考えから来ているように思う。動物だって日々向上ということがあるのではないかと思う。我々はそうした存在を殺戮して食している、ということをよく考えて、だからこそ自らの命と生についてしっかり考える必要があるということだと思う。
と、少々批判的なことを書いてしまいましたが、これはある意味で本質を傷つけるものではなく、この本自体は大変よい、おすすめに値するものと思います。そもそも、ある意味で自分の恥になるようなエピソードを紹介し、他の人のfood for thoughtにしている態度自体立派なものと思っています。なかなかできないと思います。
私は毎日朝読んで元気をもらっています。
ISBN-10:0671792806:detail
http://www.amazon.com/Principle-Centered-Leadership-Stephen-Covey/dp/0671792806/ref=pd_bbs_sr_1/104-7064258-8711156?ie=UTF8&s=books&qid=1172892012&sr=8-1
さすがにamazon.comだと40セント。