死の日

朝、隣の公園を歩く。
いつもは洋館の前の庭を通り、小川に架かる橋を渡り、四阿、ナルニアの街灯を経て帰ってくるのだが、今日は逆に、木立を抜け、四阿の方に先に向かう。
すると、私の前日までの踏み跡の直ぐ近くに、黒いマフラーのようなものが落ちているのに気付く。
しかし、冬季はこの庭園のこんなところまで歩く人はいない。マフラーなど落ちているはずもない。
私は、その塊を、突ついてみる。ひっくり返してみると、それはやはりカラスなのだった。
カチカチでとても軽い。
一昨晩から厳しい冷え込みが続いている。それが影響したのか、それともこの年末年始食べる物が尽きたのか、或いは他の要因か。
昨日歩いた時には気付かなかったので、死んだのは昨日の朝以降だろうか。
それとも、今日は少しだけルートをずらしたので見つけたのだろうか。

今日は死に縁のある日のように思う。
音楽も特に意識したわけではないが、気がつけば教会音楽のグレゴリオ聖歌をかけている。
昨晩見た夢も、死の夢だった。
不吉、といえばそうなのかも知れないが、既に禍々しいこととして恐れおののく、ということはなくなってしまった。
哀しみを共有すること、静かに起こることを受け止めて生きることが日々の営みとなっているせいだろうか。
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