モンブラン146

一日も終わり近くなってくると、手が疲れてくる。
そのような時には、静かに対話のできるペンが好ましく思える。
モンブラン146で書いていると、自分と対話しているような気がする。

この146は、社会人になって間もなく、ことによると月賦で買ったのではないかと思う。
それから今に至るまで、その時々の気持ちをこの万年筆で書いてきた。
拾ってきた太めの木の枝で、このペンを立てるためのスタンドを作ったりしていた、若い頃の自分がいとおしく思える。

先日、川口さんに調整してもらって、とても書き易くなった。
もともと書き易かったけれど、一段と滑らかになり、優しく、品が良くなった。このニブには、こんな潜在的な能力があったのだな、とうれしくなる。

これからの日々、私はこのペンと共に、どのように過ごすのだろうか。