George Kennan

今日は、Oppenheimer case で George Kennan ジョージ・ケナンの証言を読みました。
これも、心洗われるような証言でした。
核兵器についても、例えば
ソ連が水爆を先に開発したらどうなるのか、脅威ではないのか」
といった質問(この質問はOppenheimerが水爆開発に積極的でなかった、という点を責めるためのもの)に対して、
「その答えは、yesでもあり、noでもある。」
と答えている。その答えは、人々の心の中にある、ということだろう。
所詮、抑止力としてしか使えない、という認識と、既に核兵器でなくても WMD (weapons of mass destruction)は存在し、またそれをdelierする能力とも関わっているのであるから、水爆の開発という一事を以て脅威とかそうではないとか言うべき問題ではない、と言う。
また、大きなことを成し遂げる人物を判断するのに、通常の杓子定規な判断をしてはいけない、人間の悩みやそれによる成長というものに敬意を払うべきことも言われている。
封じ込め政策の立案者のイメージがありましたが、こうして生の発言を読み、また、改めて略歴を見ると、封じ込め政策の軍事化を憂慮して米国の主流派から遠ざけられ、一方ソ連からはペルソナ・ノン・グラータとされるなど、双方から非難されていることが、逆にその中立性を示しているようにも思えます。
wikipediaの解説を見たら、本当に最近、3月17日に101歳で亡くなっていたのですね。
その前に読んでおきたかった、と自らの懶惰を恥じています。
また、最近基準の厳格化と一律適用を強調する米国のSecurity Clearance制度についても、改めて考えさせられました。