青泥

夢の話。
私は、青い泥でぬかるむ道を、何か重い物を押しながら歩く。
どこかの工場に届けるところなのだ。
青い泥はかなり深く、私は進むのに苦労している。
漸く辿り着いたところは、小さな町工場のようだ。
そこでは、私の弟が働いているとのことだったが、会ってみると私の中学校時代の同級生だった。そして、実は、それは大きな会社の工場であったことを知る。
私の同級生は、「こんなものを作っているよ。」と彼の設計し製作したものを見せてくれる。
それは、平べったい、厚さ2cmくらいで10cm四方、角が丸くなった黒い石のようなものだった。石のようではあるが、持ってみると軽く感じる。
それを持って、彼と二人でまた道を歩き出す。
その石は、何のためのものなのか。
彼が言うには、人の気持ちを、内面からではなく、ハードウェア的に改善する・癒すようなものであるらしい。私は、その石の効用を、夢の中ではよく理解したのだが、夢から醒めてみると、うまく表現できない。その石は、しかし、心を軽くするようなものではない。何か深い哀しみを持ちながら、静かに生きていくことができるようにする、そんなものであったように思う。