東のエデン

イザベラ・バードの「日本奥地紀行」を少しずつ(本当にすこしずつ、一日2,3ページずつ)読んでいます。
今日読んだところは明治期の米沢平野に関する記述。

米沢平野は(中略)まったくエデンの園である。鋤で耕したというより「クロッキーで描いたように美しい」。米、綿、とうもろこし、煙草、麻、藍、大豆、茄子、くるみ、水瓜、きゅうり、柿、杏、ざくろを豊富に栽培している。実り豊かに微笑する大地であり、アジアのアルカディアである。自力で栄えるこの豊沃な大地は、すべて、それを耕作している人びとの所有するところのものである。(中略)美しさ、勤勉、安楽さに満ちた魅惑的な地域である。

当時もそこに住む人びとにとってエデンと言えるようなものではなかったかもしれないが、こうした記述を読むと幸せな気持ちになる。エデンとは、決して安楽なだけのものではなく、きちんとした勤労によるものであるというイメージを当時の英国の人は持っていたのだろうか。
昔読んだ「かぎのない箱」という童話集に、世界で一番賢い魔女に、金持ちから「人間の幸せとは何か」を聞いてくるよう頼まれた若者の物語があった。「幸せとは、一日いっぱい働いて、猫と一緒に眠ること」であったように記憶している(大島弓子さんか、むむむ。まあ、似たようなものだったような。。。)。