役場の人の話

先日聞いたある役場の人の話。
理由は分からないけれど、ある湖の側の、一応公園の一部になっている所にある車の中で暮らしている男性がいた。
既に車は車検切れで保険もなく、運転することはできないものだった。
車の中はゴミだらけで、男性は、中でぼうっとして日々を過ごしていた。


その男の人がいなくなった。
いなくなったのは、新しい人生を歩み始めるためだろう。
いなくなるとき、役場の人に言ったという。
「自分は、生きる希望もなくここにいた。
すると、警官がやってきて、大丈夫かと声を掛けてくれた。
ここにいる間、ずっとだった。
もし声を掛けられていなかったら、自分は死んでいたかもしれない。」