寺山修司記念館

pakira_s2007-06-01

ここも、一度だまされたと思って訪れて欲しいところです。
展示館の中には、まるで図書の閲覧室のように、机が並んでいる。
机に座ると、下には青空と雲が見える。
暗い照明の中で、机の上は白熱灯のデスクランプでほんのりと照らされている。
展示物は、引き出しの中にある。
訪れた人は、故郷に帰って、かつての自分の机あるいは父祖の机の引き出しを、心をときめかせながら、何かを発見するのではないかという期待と懐かしさとで、次々と開けていった、あの気持ちになることを求められる。
そうした机に座ると、あるいは机の上に幻影が映し出され、あるいは耳元で劇中の台詞が語られ、或いは「時には母のない子のように」の曲が流れる。
その机を見終わると、線路があり、向こうから寺山修司がコートをなびかせて歩いてくる。思わず自分も線路を歩み出しそうだ。
さらに歩みを進めると、舞台の前に立つ。
そこは、天井桟敷の舞台のような、不条理な懐かしい世界が広がっている。
外に出れば、香しい緑の森。切り開かれて建てられたこの記念館の裾は、当然ながら劇場になっている。
ここで演劇が演じられたことはあるのだろうか。
薄く森と草原にかかる霧が、イギリスのようにも思われることだった。


033-0022
青森県三沢市大字三沢字淋代平116-2955
TEL0176-59-3434 FAX0176-59-3440

http://shuji-museum.misawasi.com/
<寺山修司記念館の設立にあたって>
当館は遺族の寺山修司の母はつ氏より三沢市に寄贈された遺品を、保存公開するために約3年の歳月をかけ建設されました。寺山修司と親しかった粟津潔氏のデザインをもとに、九條今日子氏をはじめとする元天井棧敷のメンバーなど数多くの関係者のアドバイスを得て平成9年7月に開館を迎えました。

延床面積約833平方メートルの展示棟とホワイエ棟が渡り廊下でつながり、上空から見るとその様はテラヤマ演劇・映画の小道具として登場した「柱時計」を彷彿とさせます。ホワイエ棟外壁には149枚の陶板が貼り込まれ、寺山氏と交流のあった約30人のメッセージ陶板がテラヤマ作品を題材にしたものとともに、にぎやかに彩っています。テラヤマ芸術はもとより、当市の総合芸術発信基地としての一翼も担っています。

開館時間−9:00〜17:00 入館は16:30まで( 4月〜10月)/9:00〜16:00(11月〜翌年3月)
休 館 日−毎週月曜日(祝日の場合は翌日)/年末年始(12月29日〜翌年1月3日)
入 館 料−個人 一般300円 高大学生100円 小中学生50円
     団体 一般200円 高大学生100円 小中学生50円 (20名様以上) *小中学生は土曜日無料