光傳寺

今日は実家に行く。
父の車椅子を押しながら、石神井川沿いの葉桜を眺める。
もう桜も終わりだけれど、それでも時折、父の膝に桜の花びらが舞い降りてくる。
近くの光傳寺というお寺まで行く。
ゆっくり歩いて15分くらいのところだろうか。
普通の歩き方なら10分もかからないだろう。
きれいに手入れされた庭や木々が清々しい。
ふと出会った職人さんに母が声を掛ける。
実家の建て替えや修繕でお世話になった職人さんとのこと。
「今は石屋さんをやっています。」
その人は声を掛けられて答えていた。
明るい眼差しの、爽やかな人だ。
本来大工さんであるのに、石屋さんを今はやっているというのはいろいろなことがあったのかもしれない。
でも、彼の眼差しは世の中を明るくしているように思う。
六地蔵、というお地蔵さんの像がある。
六道を救ってくれるお地蔵さんだ。
手を合わせ、拝んだ。
海棠がきれいに咲いていた。