メグロ

昨晩は、懐かしい雰囲気の夢。
私は、ある普通の駅を降り、そこから歩道橋を渡る。
すると、そこはイメージとしては、第二次大戦後の日本のようなところだ。
ある家屋に入ると、そこには私の妻という女性がいるのだが、いかにも昔風の髪型に和服を着て、座敷に座っている。しかし、座敷といっても、貧しい、板の間に茣蓙を敷いた程度のところだ。そこで、何かぺらぺらの表紙の、安っぽい絵の描かれた本を妻は触っている。彼女は私を待っているのか、私ではない夫を待っているのか。ことによると戦争からの復員を待っているようでもあった。
私は、その、実は高楼であったところから降り、道を歩いていく。
私はタクシーに乗るのだが、途中から細い道に入り、そしていつの間にかタクシーでは通れない軒の間を、自転車を二人乗りして、私は後ろの座席に立ち前の運転手さんの肩に手を置いて、走っている。その袋小路の先の小さな崖を登ると、そこに昔風の、目鼻立ちのきりりとした若者が二人、それぞれのメグロのバイクの隣に立っている。
彼らは、仲間を迎えるような、しかし顔の相好は崩さぬ表情で私を見る。