檸檬舘

善知鳥神社の海側の小道を入ったところにある檸檬舘というバーへ。
聞けば、29年もやっているという。
看板には「西洋居酒屋」とあるが、赤いネクタイに白いジャケットのマスターが迎えてくれる。
古いレコードをアナログプレーヤーでかけてくれるが、失礼ながらシャルマン等のシステムには及ぶべくもない。レコードをかけてもてなしてくれる、その心を楽しむ、ということか。
お手洗いの場所を聞くと、入り口の方の突き当たりのドア、というので、そこに行き、手をかけて開ける。
すると、そこには年配の女性の人が立っている。私は、レストルームのドアと間違えて入り口のドアを開けていたのだった。その女性は、マスターの奥さんで、遅れて手伝いに来たのだった。私は、謂わば、奥さんを、ドアを開けて出迎えた形になったのだった。実は、奥さんは、私がお店に入るときもお店の近くにいて、隣のアパートのコンクリート塀の上に座っている猫と何事か話をしていた。私は、面白い人がいるな、と思いながら檸檬館のドアを押したのだった。
ここのメインのお酒は竹鶴のようで、マッカランを置いている人もいるようだった。
私のいる間は、私のほかには誰もお客さんは来なかった。