ボサマ

「竹女ぼさま三味線をひく」という本を読みました。
ボサマ、というのは、男盲の門付け芸人のことだそうです。家々の戸口に立って唄をうたい三味線をひいて米・銭をもらって歩きます。
この本を読んで、今なら伝統芸能として保存されるようなものが禁止されていた時期もあったことに驚きました。
ねぶた祭りも、明治6年7月に禁止されたとか。
三味線も「一般遊惰ノ風ヲ長ジ、終ニハ文明ノ進歩ヲ妨ゲ候儀少ナカラズ、以テノ外ノコト」ということで明治7年5月に県令により禁止されたと言う。
また、現在の青森市栄町のあたりには「十軒町」というところがあって、そこは「ボサマをはじめ、ホイド(乞食)と卑しめられた雑芸人、川堀り、犬殺し」などの人々がかたまって住んでいたとのこと。
青森も空襲で町の大部分を焼かれ、十軒町も燃えてしまいました。
栄町の辺りは、私も自転車でよく散歩します。
この本は、多くのものを背負って生きていた登場人物が、各々ふっと立ち現れてきそうな不思議な雰囲気でした。
著者の野澤陽子さんのお宅におじゃましたときに購めてきたのですが、その時いただいたラベンダーの干し花もよい香りです。


(ISBNで引くと、発行が2007年6月と表示されますが、正しくは2006年7月です。)

竹女ぼさま三味線をひく

竹女ぼさま三味線をひく