おめでとう、恵まれた方

大きなお菓子入りのバスケットが職場に届きました。
クリスマスプレゼントです。
美しいカードも、幾通か手元に届きました。
壁に飾ると、また様々なことに感謝の気持ちが湧いてきます。
今日は、エックハルトの説教「おめでとう、恵まれた方」から引用。

これまでに神が人間に分かち与えた最大の救いは、神が人となったということであった。このことをうまく説明する話を語ってみよう。金持ちの夫婦がいた。その妻が事故で片目を失い、深い悲しみに閉ざされていた。そこに夫が来て次のように言った。「妻よ、なぜそんなに悲しむのか。片目を失くしたからといって、そんなに悲しんではいけない。」と。
すると、妻が、「あなた、わたしが悲しむのは片目を失くしたからではありません。あなたが以前のように私を愛して下さらなくなるのではないかと思えて、それが悲しいのです。」すると夫は答えた。「妻よ、私はお前をこんなに愛しているではないか。」
それからほどなくして、彼は自分の片方の目をえぐり出し、妻のところへ来て言った。「妻よ、お前への愛の証に、お前と同じになった。もう私も片方の目しかない。」
人間もこの妻と同じである。人間は、神がこれほどに愛してくれていることを、ほとんど信じることができなかった。そのために、神はとうとうみずから「片方の目をえぐり出し」、人間の姿となったのである。

エックハルト、田島照久編訳「エックハルト説教集」、岩波書店、1990年6月18日より)