容姿

イグナチウス・ロヨラの書簡集を読み進んでいますが、その実際的な知恵には感心します。
人知を尽くさないことは神を試みることである、ということは当然のことではありますが、やはり新鮮に思います。きちんとした宗教には、こうした自然の因果律を重んじる風があります。
面白いと思ったのは、イエズス会入会資格として、
「容姿の整っていない人は、その容姿を補ってあまりあるほど、神から希有なたまものをいただいていなければ入会を許可されません。」
とあるところ。イエズス会は、世界中への伝道活動をその役目としているので、こうした外面的な印象についての重要性の指摘があるのでしょうが、それはおそらく一般的な美醜や造作、欠損等のことではなく、正に人々に与える印象ということではないかと思います。
かつて「ブスなんだけど、見ていると本当に気持ちがよくなる顔の人なんだ」とある人のことを言っていた友人がいましたが、そのような人は、美人というべきでしょう。