pakira_s2007-08-09

先日泊まった旅館でのこと。
その旅館には、お孫さんがいて、その男の子が私に話しかけてくる。
まだ小学校に上がる前くらいだろうか。
「このセミ、プールに落ちていたんで拾いあげてあげた。」
プールというのは、ビニールを膨らませて水を張る、子供の水浴び用のものだ。
旅館の庭先に置いてあるが、おの手のものにしては四角くて大きく、2m×3mくらいあるだろうか。
「生きているうちに拾い上げられてよかった。」
と指に止まらせながら、軽くなでるようにさわったりしている。
蝉も逃げる様子はない。
「なんて名前つけようかな」
とか
「指に抱きついているからオスだ」
とか話している。
その子の祖母、といってもまだ50代半ばと思うが、その人が子供に、
セミは地上に出てから1週間くらいしか生きないんだから放してあげたら」
と言う。
子供は
「うーん、そうだねえ、でも飼いたいなあ。。。」
と何度も放すのをためらっている。


旅館を出発して、湖畔の林を歩く。
蝉が鳴き、蝉の抜け殻が木にたくさんついているのを見る。
日差しの強い、暑い日だった。


(8月11日に泊まった熊ノ湯温泉旅館でのお話です。写真はくろくまの滝の虹です。)