ブリギッタ・森の泉

今日は、この本の中の「荒野の村」を読みました。
実によいお話。
最後の言葉になんと慰められることか。

心清き人よ、時が来たら、安心して君を裁く神の前に出て、こう言い給え。
「主よ、わたくしは、あなたがゆだね給うた金額を、大切にするよりほかできませんでした」と。
君の金高がよしあまり軽すぎたとしても、裁きの神はきっと、人間よりも、もっと慈悲深くお裁きになることであろう。

私も含め、聖書の次の言葉を日々反芻している人は多いのではないだろうか。

マタイによる福音書 25章14節
「天の国はまた次のようにたとえられる。ある人が旅行に出かけるとき、僕たちを呼んで、自分の財産を預けた。 それぞれの力に応じて、一人には五タラントン、一人には二タラントン、もう一人には一タラントンを預けて旅に出かけた。早速、五タラントン預かった者は出て行き、それで商売をして、ほかに五タラントンをもうけた。同じように、二タラントン預かった者も、ほかに二タラントンをもうけた。しかし、一タラントン預かった者は、出て行って穴を掘り、主人の金を隠しておいた。
さて、かなり日がたってから、僕たちの主人が帰って来て、彼らと清算を始めた。
まず、五タラントン預かった者が進み出て、ほかの五タラントンを差し出して言った。『御主人様、五タラントンお預けになりましたが、御覧ください。ほかに五タラントンもうけました。』
次に、二タラントン預かった者も進み出て言った。『御主人様、二タラントンお預けになりましたが、御覧ください。ほかに二タラントンもうけました。』
ところで、一タラントン預かった者も進み出て言った。『御主人様、あなたは蒔かない所から刈り取り、散らさない所からかき集められる厳しい方だと知っていましたので、恐ろしくなり、出かけて行って、あなたのタラントンを地の中に隠しておきました。御覧ください。これがあなたのお金です。』
主人は答えた。『怠け者の悪い僕だ。わたしが蒔かない所から刈り取り、散らさない所からかき集めることを知っていたのか。 それなら、わたしの金を銀行に入れておくべきであった。そうしておけば、帰って来たとき、利息付きで返してもらえたのに。さあ、そのタラントンをこの男から取り上げて、十タラントン持っている者に与えよ。』
だれでも持っている人は更に与えられて豊かになるが、持っていない人は持っているものまでも取り上げられる。 」

ブリギッタ・森の泉

ブリギッタ・森の泉 他1篇 (岩波文庫)

ブリギッタ・森の泉 他1篇 (岩波文庫)