味あわせる

「味あわせる」は「味わわせる」が正しいとされる。

しかし、一般では、「味あわせる」を選択する人が多いともいわれている。

この理由は「味わわせる」というのが、美しくないことがあると思う。

 

美しくないものを「正しいから従え」と押し付けてくる「偉い人」というのは、ある意味困った存在のように思える。

 

一般の人々の美意識も大切にした方がよいのではないかと思う。

「誤用」などというのは、そのような指摘をする人の高慢さを示しているように思え、一般の人々の美意識に失礼に思える。

 

文法は、言葉の用法を明らめるものであって、それは言葉の使われ方に従う。

従って、美しくない場合はそれを言い換える、という「文法」が生成しつつあると考えるべきだろう。

学問を究めようとする場合には、そうした謙虚さが求められるが、段々偉くなる「先生方」が、各分野にいらっしゃるように思う。(森鴎外ではないが医学とかも。)

 

とはいえ、実は「味あわせる」にも私自身は少々違和感がある。

つまり「味わう」の使役形については、私は自身では何と書いていいか迷ってしまう状況だ。

これの本来の原因として「味はう」と本来書くべきところを「味わう」にしてしまったことがあるように思う。やはり、変えればいいというものではない、ということもしみじみと感じる。

 

私のような天邪鬼としては、偉い人や権威のある朝日新聞などが「味わわせる」が正しいというのであれば、逆に一般の55%の人が好む「味あわせる」を使ってみようか、と思ったりする。