さよなら私のクラマー

さよなら私のクラマー、という漫画を読む。

14巻で既に完結しており、一気に読んでしまった。

恥ずかしながら、声を上げて泣いてしまうようなことも何度かあった。

終わりが唐突ではあるのだけれど、これはこれで納得。

深津監督が情熱を取り戻し、ワラビーズが日本でトップクラスのチームになったことで、もし続いていたとしても、この後は勝ち続けるだけだ。

このメンバーでのユースチームが世界に挑戦などもあるかも知れない。

しかし、この連載も、5年も続いており、おそらく作者として描きたいことは描いたのではないかと思う。

そして、題名の意味だが、私のクラマー、というのは誰のことだろうか。

ワラビーズの選手からすれば、深津監督かも知れない。

また、久乃木学園の鷲津監督、興蓮館の高萩監督なども含まれるかも知れない。

こうした指導者を超えていくこと、自分のサッカーを見出すことが題名の意味のように思う。

あるいは、ジャパンオリジナルのサッカーを生み出す者たち、という意味もあるかも知れない。

いずれにしても、自立を表す言葉のように思う。

 

p.s. 作者のインタビューをその後に見た。

「これは……そこまで深い意図はないんですけどねえ(笑)。サッカー好きの方ならピンときてくれるだろうと思っていましたが、クラマーはあのデットマール・クラマーさんのことで間違いないです。もしかしたら若い人はピンとこないんですかね。『日本サッカーの父』と称された方です」

――やはりそうでしたか。タイトルに込められた真意は、今後の展開で明らかになっていくことを期待しています。

「ありがとうございます。ただ、実は最初のタイトルは『さよならクラマー』だったんです。タイトルを決める時になってクラマーさんが亡くなられて(2015年9月17日)……。そのことがあって、僕なりの敬意や愛を込めて「I(私の)」を加えたんです」

 

なるほど「私の」にそのような意味があるのだな、と思った。