死して有る生き方

エックハルト説教集は、私の思いをいつも高く引き上げてくれるように思う。

人は徹底して死にきらなければならない。‥‥
有を魂が受け取るのは、‥‥魂が徹底して死にきったときなのである。
わたしたちがその内にありつづけることを妨げるもの、‥それはわたしたちが時間に触れていることからくるのである。‥妨げとなる第二のものは、対立するものを自分の内に持っているときに生ずるのである。‥魂が、いかなる対立も存在しないような一なる命の内へと上りゆくとき、低き事物において分けられているすべてのものがひとつになるのである。

また、

わたしたちはこの命のすべては死すべきものであること、そしてわたしたちの身にふりかかるであろうどんな苦しみも苦労も決して恐れる必要はないことをわたしたちは常に念頭に置いておかなければならない。なぜかといえば、どんな苦しみにも苦労にも終わりがあるからである。

という言葉の優しさ。