見える人

pakira_s2007-04-20

今日は、職場の同僚と夕食。
そのとき、なぜか幽霊の話になった。
私が以前よく行っていたバーでアルバイトをしていた女性が、ある日幽霊を見て、それからお店に来なくなった。
マスターが、どんな様子の幽霊だったか聞いても、震えるばかりで何も言わない。
そのお店が入っていた中野のビルは確かに怪しく、聞けば他のお店で働いている人の中にも幽霊を見た人がいるらしい。


そんな話をしていたら、いつもは元気な友人Aが急に
「そういうのは見たくない」
と強く言い出した。
「見たことあるの?」と聞くと、「いや、ないけど見たくない。」と言う。
カウンターの向こうにいたママさんが、急に話に入ってきて、
「霊体験というのか、わからないけど。。。」
と言いながら、お父様が亡くなったときのお通夜の晩の話をしてくれる。
寝ていたら、頭を優しくなでる手があった。しばらくなでていて、消えて行った。
横に寝ていたお母さんに、「誰か来た?」と聞いても分からない。
きっと、あれは亡くなったお父さんだったのかな、と思っている、というお話。
私と、友人Aはうなずきながら聞いていた。


と、そこに突然、私の横に座っていたもう一人の同僚Bが急に口を開いた。
「ママさん、おじいさんにかわいがられていたでしょう。」
「え?。。。それはそうでしたね。」
「それは、お父さんではなくて、お父さんを連れにきたおじいさんですよ。」
と断言するように言う。
私と、先ほど幽霊を見たくないと言っていた友人Aは、
「まあ、それはそうかもね。」
とか適当に相づちを打って、「今度恐山に行こう」とか話していた。
またしばらくイタコとかの話をしていたら、その中で同僚Bが、
「私は、実は見えるんです。」
と言う。聞けば幼い頃から自分にそういう霊能力があることを知って、ずっと嫌で人には言わずにいたという。
今日も多くは語らなかったが、自分でもいつ見えるか分からないし、見たくて見る訳でもないし、むしろ見たくないし、人に言っても気味悪がる人もいるし、とぽつぽつと話してくれる。
それを聞いて、私と友人Aは真顔になって同僚Bにたずねた。
「じゃあ、さっきのママさんの、頭を撫でられた話のときも見えたの?」
と聞くと、うなずく。話を聞いているうちに見えてきたのだという。
恐山にも、奥様ともう行ったとのことだったが、その時、2頭の鹿、親子であろうその鹿が近寄ってきた。
奥様は「かわいい鹿ね。」と言いながら撫でている。
そのとき同僚Bには、奥様の亡くなったお母様が鹿と一緒にいるのが見えていた。


(写真はMINATOYAの壁に掛かるランプです。pocoさんからいただいちゃいました。)