あの電柱まで

新聞を読んでいたら、マラソン選手だった君原健二さんの記事がありました。
公共広告機構のコピーで
「全レース棄権ゼロ。それは勝つことよりむずかしい」
「あの街角まで、あの電柱まで、あと500メートルだけ・・・・と走り続けるのが、ボクのマラソンです」
というもの。
私も、これまで生きてきて本当にそのように感じます。
山岳部時代、沢に素登りで取り付いていて、もうだめだと思ったとき、もうあと一回だけホールドを探してみよう、と思って動いたことで滑落せずにすんだ。限界はいつも、自分が思う一つ先にあるように思います。
或いは、自殺するかもしれない人に、鉛筆をたまたま貸して、「明日返してね」と言ったことで一日生きられる。
周囲もまた、一日、一歩を支えていくことができるように思います。