シャープペンシルの話題をもう一つ。
このシャープペンシルは、三菱のエクシードというブランドのもの。
ただ、このシャープペンシルには、EXCEEDという文字とJAPANという文字しか表示がない。
もともと貼ってあった価格シールにも値段のみが書いてあり、型番などの記載はなかった。
ネットで調べて見ても、EXCEEDで出てくるのは千円台の「普通」のシャープペンシルか多機能ペンだけで、このペンは発見できなかった。
勿論、三菱鉛筆のサイトや現行カタログを見ても出てこない。
私はこのペンを長崎のマツヤ万年筆病院で見つけたのだが、その場では時間の関係もあり、また決断もつかず買わずにお店を出てしまった。
東京に帰ってきてから気になって電話したところ、送ってくれるというのでお願いした。
実はその際もパイロット製と間違えていて、随分探してもらうなどマツヤ万年筆病院にはご迷惑をおかけしてしまった。
しかし、これは本当によいペンシルだ。
古々しい言い方で恐縮だが、文豪が執筆に使ってもおかしくないような重厚さがある。
私自身も、持ち歩くというより机上において執筆に使う、という感じだ。
0.5mmのシャープペンシルで「執筆」というと違和感があるが、このペンはそういう言葉を使いたくなる雰囲気がある。
それも、単なる外形的な佇まいの点からではなく、書き味・使い心地の点からだ。
内部機構は外すことができないようになっていて、それだけにがたつきがない。
プッシュボタンの付いている上部バレルは非常に重く、一見トップヘビーな感じなのだが書いていると気にならない。
プッシュボタンが普通のシャープペンシルに比べて短く、3mmくらいしか突き出ていない（尤も内部に収まっている部分は通常のものと変わらないのかも知れないが、この部分も分解できないのでよく分からない。）。直径は4.5mmくらいか。押した感じは軽く、Pixなどの対極にある。Pixの感触も好きだが、このような柔らかい感じもいい。書くことに集中できる感じだ。
改めてチェックしてみると、私が別に持っている三菱Hi-Uniカーボンファイバー軸のシャープペンシルと同じような軽さ。製図用のシャープペンシルだと、そんなものか、という感じで特段の思いはなかったのだが、今回入手したような重厚なものでこのような軽い感触だと気持ちが和むような雰囲気がある。
クリップは直線で構成されており、端正で美しい。
軸自体は、エクシードの多機能ペンの高級ラインと同じような塗装になっている。マツヤ万年筆病院には２種類在庫があったように思うが、今回送っていただいたのは黒に赤が混じった大理石風のもの。
このシャープペンシルの型番や歴史も知りたいところなので、また折々に調べていきたいと思う。
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